「ゴルフ」1で、ゴルフには基本的には次の3つの知識のバランスが必要との結論に達したと述べました。
- ボールを打つ道具であるクラブの物理学
- クラブを動かす人間の身体運動学
- 人間の体を無意識に制御する心理学
今回は2の「クラブを動かす人間の身体運動学」についての概論を述べてみたいと思います。当然のことながらクラブという道具を使うからには、その道具をうまく活用できるように身体が適応して動く必要があります。そしてその方法を学ぶために我々はレッスン書やレッスン番組をみて、自分に適用しようと試みます。しかしながら、多くはうまくいきません。その理由は大きく2つあると考えます。
1つ目は、身体能力は個人差があり、また年齢とともに落ちていきます。一方でレッスン書ではそう言った個人差に対応して個別には説明していません。私が思うにレッスン書が想定しているのは若い初心者か、ある程度年齢はいっても熟練者ではないかと思われます。そういう方は身体が柔らかく、ある程度の体幹力や握力があります。ある番組でレッスンプロが握力は80ぐらいあると言ってましたが、そういう人が「グリップを柔らかく握る」と教えても、握力が40以下の人にとっては、本当はしっかり握らないと同じ握力が維持できないかもしれません。つまりレッスン書が想定しているモデルと身体能力が異なる人はレッスン書の言葉を鵜呑みにすると間違う場合があるということです。
2つ目は、プロのアドバイスの言葉は不完全であり誤解しやすいということです。たとえばプロが「切り返しでクラブを落とす」と言っても、十分捻転できる身体の柔軟性とそれを支える十分な足の筋肉があるプロには効果があっても、それらが不十分なアマがやってもかえって逆効果になる場合もあります。人間は自分が意識しないでやっていることには認知しないので、そこの部分を当たり前として言葉にしないので、前提が省略されててしまうと相手に伝わらないため、アマには正しいアドバイスならない場合が多いと思われます。さらに無数の筋肉の動きが合成される自分の身体の動きを表現するのは難しいことが一層誤解を大きくします。例えば多くの本で右、左、前、後、回転と言う時に、どの視点から見たときのものかが曖昧だったり、「肩」の定義や「水平」の定義で読者が混乱するのも多くのレッスン書の問題です。「肩を水平に回転」という説明もよく見受けられますが、「水平」には確かに平面という意味もありますが、普通は重力に対して垂直な面を思い浮かべるのでこれも誤解の元ですね。傾いた背軸に対して使いたいなら「横断面」、重力の方向軸に対して使いたいなら「水平面」と使い分けないといけないのですが、そういう厳密さに欠けるいい加減な本が目立ちます。
私自身もこれらを自重して意識しながら、以後の投稿記事で各論を述べていきたいと思いますが、最後に1つめの身体能力の個人差について付け加えます。知っている方も多いと思いますが、廣戸聡一さんが提唱されて、横田真一プロが広めている4スタンス理論というものがあります。これは人間には身体的に4つに分類され、ゴルフをやる場合に、各分類で身体の動かし方が違うと言うものです。YouTubeにも載っているので見てもらえるといいのですが、そこから言えることはプロでも、自分の体験で説明しようとすると、どの分類のタイプかによってそのポイントが異なってくることになります、従って自分の分類と異なるタイプのプロの助言は合わない恐れが高いということです。4スタンス理論を信じるかどうかはありますが、一度確認しておいても損はないと思います。(BSフジで放送されたhttps://www.bsfuji.tv/vod/library/gekig.html の中の #32 2020/11/21放送 のを見ると驚きがあります)
「本やプロのアドバイスは、自分にとって必ずしも正しいとは限らない!」
それでは、また次回に。
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