今回からは、 ボールを打つ道具であるクラブの物理学について解説したいと思います。
「 ゴルフ」4でも説明しましたが、ゴルフクラブの特徴は一言で言えば「重心がヘッドと一致しない」ことです。そしてそのズレは3方向にあります。これがゴルフを難しくしている最大の要因と言っても過言ではありません。
1)シャフト方向で言えば、ドライバーの場合全長が約120cmに対し、重心はグリップエンドから約85cmのところにあり、ヘッドより35cmも手前です。
2)シャフトと垂直方向でいえば、第1図のように重心がまずシャフト軸からトウ側にズレています。(センターシャフトはパター以外は「クラブとボールの規則」の付属規則II, 1dにおいて禁止)またその直角方向では、ヘッドの重心がヘッド面から後方に膨らんでいるため、第2図のように、クラブ重心はシャフト軸からヘッド後方にズレています。
ゴルフではボールを飛ばすことが必要ですが、そのためにはインパクト時のヘッドスピードを上げることが重要です。つまりインパクトまでのヘッドの加速度を大きく保つことが重要です。それにはスイングにおいて「重心」、「作用(力)」、「作用点と支点」に理解が不可欠です。もうひとつ重要なのはスイング軌道ととともにインパクト時のフェース面コントロールです。これは球筋に関係しますが、これも「重心」、「作用(力)」、「作用点」と「支点」に理解が不可欠です。
最近では、感性に加えて物理的側面で解説しようとするレッスン記事が増えてきて良い傾向にはあります。たとえばゴルフトレーナー小澤康祐氏が「運動学×物理学でわかりやすいレッスン」という動画を公開されています。小澤氏のレッスン動画を見ていますと、身体的な運動学の解説は、理にかなうところが多くとても参考になります。ただ物理学の解説は、???というところが数多く見られますので、小澤氏にはもうすこし物理を極められることを期待してます。
上で述べた、「重心」、「作用(力)」、「作用点」と「支点」において、「重心」はクラブが主に関係しており、「作用(力)」と「作用点」はグリップが主に関係してます。そして最後の「支点」はクラブとグリップの両方に関係してきます。
次回はそれらについて解説したいと思います。
