本日は、ラウンドしているはずだったのですが、雨で中止になって時間ができたので、前回の補足をします。
前回、ヘッドを加速するタイミングについて述べました。「引く力」と「手の縦トルク」は剣道で「面!」を打つように、腕をまっすぐ上にあげた上段の構えからほぼ水平まで腕を引きおろす力と、腕を下ろしながら腕と直角だった竹刀をまっすぐに伸ばしていく両手のてこの力と同じです。
ただゴルフのスイングでは、剣道の面打ちと比べて非常に複雑な動きが要求されます。というのは、腕でつくる三角形の面がスイングの途中で刻々と回転していきます。トップでは左右の前腕で作る三角面はボールに向かってほぼ垂直な面であり、ダウンの途中まではクラブはその面にほぼ垂直に「手の縦トルク」によって伸ばされていきますが、ボールを打つ前後はクラブは「腕の横トルク」で三角面が飛球線とほぼ平行に加速していきます。このように、この3つの力はクラブヘッドを同じ円軌道の上を加速させますが、身体の力の加える方向が途中で90度近くも変化していき、しかもそれが重なった時間内で行われるという複雑な作用を要求されます。これは人間の意識が統括して身体の各筋肉に細かく命令を出していたのでは達成不可能な動作であり、人間の運動脳のなかでの自動的な協調・連動には驚かされます。
ただ一つ、自分の意志でできることがあります。というのは人間の筋肉が最も力を発揮できる腕や身体の位置は、自分で確認できます。まずグリップした腕をまっすぐ垂直にあげて飛球線と反対方向に押す場合と、腕を真横の水平状態から下に押す場合とではどちらが強く押せるかを確認すると、多くのひとは真横から下に押すときのほうが強く押せると思います。トップの位置からインパクトの位置まで少しずつ腕を進めながら、強く押せる位置を確かめると、スイング軌道の中で自分が最も強く押せる範囲がわかってくると思います。そこが「引く力」を使うべき領域ですね。ただトップで腕がまっすぐ垂直にあがった状態では、本来は「引く力」は弱いので使いづらいのですが、前回述べたような理由で、腕が高く上がる人は「引く力」を弱めでも少し使ったほうが有効と思われます(腕が高く上がらないトップの場合は、むしろ軌道を歪めてよくありません)。
「手の縦トルク」も同じです。トップの位置からインパクトの位置までの間で、左右の手をてこにしたときに、シャフトの先のヘッドを強く押せるかを確認しておけば、そこでコックを伸ばしながら「手の縦トルク」で加速するのが効率的と思われます。わたしはグリップが右腰の前後あたりが最も強く押せます。また「腕の横トルク」も同様にして、こういったことを確認してください。
そして、これらを確認した上でゆっくりした素振りで試して行ってみることをお勧めします。それが納得できたら、スイングスピードを早めながら、身体に、というか運動脳にその一連の動作を覚えさせる練習が有効かと思います。スイングの時間は1秒を切っています。「この力の後にこのトルクに移って・・・」と考えていると間に合いません。「重力での落下」と思った瞬間には次の縦トルクに移らねばなりません。特に年齢を重ねてくると、その反応も遅くなってきますから、ゆっくりのスイングで確かめながらやるのがベターです。

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